【胡蝶蘭の育て方】水やりや手入れなど基本の管理方法をわかりやすく解説

正しい育て方をマスターすれば、10年以上と長く楽しむことができるのが、胡蝶蘭の魅力です。
本記事では、胡蝶蘭を丈夫に育てるための「置き場所」「水やり」「植え替え」などを、わかりやすくご紹介します。
お祝いで胡蝶蘭をいただいたものの、育てるのは初めて…という方もぜひ参考にしてください。
胡蝶蘭の置き場所
胡蝶蘭の原産地は熱帯のジャングルです。
日本で胡蝶蘭を長生きさせるために、まずは、置き場所に気を配る必要があります。
日当たりと風通しのよい室内に置く
最も大切なポイントは「日当たり」と「風通し」です。
直射日光を避け、カーテン越しに光が入ってくる窓際に置き、光合成を促します。
また、胡蝶蘭は葉の気孔から蒸散して水分を吸い上げるため、風通しのよさも重要です。
暖かい日は窓を開けて空気の流れを作ったり、サーキュレーターを設置したりすると、元気に育てることができます。
乾燥に弱いため、エアコンの風は直接当てないようにしましょう。
温度は20度前後をキープ
胡蝶蘭にとって快適な温度は、日中は約25度、夜間は約18度です。
特に寒さに弱く、10度以下で成長が止まり枯れるリスクが高まるため、冬場は15度以下にならないよう工夫しましょう。
夏場は、急激な温度上昇や直射日光に注意し、できる限り25度前後をキープしましょう。
湿度は60〜70%が最適
胡蝶蘭の原産地は高温多湿な環境のため、60〜70%の湿度が理想的です。
そのため、日本の夏は湿度に気を配る必要がありませんが、乾燥する冬場は注意が必要です。
加湿器を使用したり、毎日霧吹きで葉を湿らせてあげたりして、湿度を保ちましょう。
胡蝶蘭の水やりの方法
胡蝶蘭の水やりは、植え込み資材がしっかりと乾き切ってから、1株に対してコップ1杯ずつの量を与えます。
頻度は1週間〜10日に1回が目安で、タイミングは午前中がおすすめです。
冷たすぎる水は株にダメージを与えるため、できるだけ室温に近い温度の水を与えましょう。
なお、受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるため、必ず捨ててください。
胡蝶蘭の植え替えについて
適切な植え替えによって、元気な株を保つことができます。
植え替えのタイミング
胡蝶蘭は2〜3年に一度の植え替えが理想的です。
時期は、4〜6月(花が咲き終わり、新しい根が伸びる春〜初夏)がベストタイミング。
気温が15度以上ある暖かい日を選んで植え替えましょう。
【植え替えが必要なサイン】
- ・根が鉢の外にはみ出している
- ・葉が弱々しくなり成長が鈍っている
- ・植え込み資材が劣化している(カビや腐敗の兆候)
【注意点】
- ・冬の植え替え=寒い&成長期以外の時期はNG
- ・花が咲いている期間は、負担が大きいためNG
- ・植え替え時や植え替え直後に肥料を与えるのはNG
植え替えの方法
基本的な植え替えは以下の手順で行います。
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詳しくは以下記事を参考にしてください。
肥料の与え方
胡蝶蘭は少ない栄養分で生きる植物のため、それほど多くの肥料を必要としません。
与える場合は、成長を促す目的で元気な株に使用します。(弱っている株を回復させることはできません。)
おすすめの肥料
引用:ハイポネックス公式 |
胡蝶蘭に最もおすすめなのは、「チッソ(N)・リン酸(P)・カリ(K)」がバランスよく含まれた「洋ラン専用液肥」です。 栄養を吸収しやすいため即効性があるほか、根や葉の成長にバランスよく働きかけます。 |
与えるタイミング
成長期(4~9月)が肥料を与えるタイミングです。
それ以外の時期や植え替え直後は、負担となるため避けましょう。
また、花が咲いているときもNGです。
肥料の与え方
液肥の場合、2週間に1回1,000〜2,000倍に希釈して株の根元に与えます。
濃度の高さが心配な場合は、3000倍ほどに希釈してもよいでしょう。
※基本的には使用する肥料の説明書に従ってください。
季節ごとの胡蝶蘭の育て方の注意点
胡蝶蘭にとって、四季があり目まぐるしく気温や湿度の変わる日本は過酷な環境です。
胡蝶蘭を長持ちさせるためには、季節ごとに注意しなければいけないことがあります。
春の育て方(3〜5月)
温度 | 15~25度が理想的 |
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置き場所 | 明るい室内(直射日光は避ける) |
水やり | 週1回程度、根が完全に乾いてから |
肥料 | 4月以降2週間に1回程度 |
植え替え | 植え替えに最適な時期(2〜3年に一度) |
春は、胡蝶蘭の成長期です。
明るく風通しのよい室内に置き、2〜3年に一度はこの時期に植え替えをしましょう。
夏の育て方(6〜9月)
温度 | 25~30度(30度以上は避ける) |
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置き場所 | 明るい室内(直射日光は避ける) |
水やり | 週1回程度(気温が高いときは2回) |
肥料 | 2週間に1回程度 |
夏の水やりは朝か夕方に行い、昼間の高温時は避けましょう。
直射日光は、急激な温度上昇や葉焼けの原因になるため注意が必要です。
また、湿気がこもりやすいため風通しが重要ですが、エアコンの風は直接当たらないようにしましょう。
秋の育て方(10〜11月)
温度 | 15~25度 |
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置き場所 | 明るい室内(直射日光は避ける) |
水やり | 週1〜10日に1回程度(夏よりやや控えめに) |
秋は、胡蝶蘭にとって快適な温度・湿度を保てているか気を配らなければいけません。
特に、気温が下がると花芽がつきやすくなるので、夜は涼しめ(15~20度)に保つとよいでしょう。
冬の育て方(12〜2月)
温度 | 15~25度(最低15度を下回らないように) |
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置き場所 | 明るく冷気が入らない場所 |
水やり | 10日に1回程度 |
胡蝶蘭は寒さに弱いため、15度を下回らない暖かい場所で管理しましょう。
特に、夜間は窓辺から離れた場所に置いたり、布で保温するなど冷え込み対策が必須です。
また、加湿器を使ったり毎日葉水したりして、乾燥にも注意してください。
>>季節ごとの胡蝶蘭の育て方について詳しく知りたい方はこちら
胡蝶蘭の育て方の注意点
胡蝶蘭は、特に以下の点に気をつけると、美しく長く楽しむことができます。
水のあげすぎに注意
胡蝶蘭は、水をあげすぎると根腐りし、株が弱ってしまいます。
「乾燥気味」に育てるのがコツです。
水やりの目安は、週1〜10日に1回ですが、しっかり根の乾燥を確認してから与えてください。
頻繁に置き場所を変えない
頻繁に環境が変わると、ストレスで元気がなくなったり病気になりやすくなったりします。
一度置き場所を決めたら、なるべく動かさないようにすることと、やむを得ず移動するときは、環境が大きく変わらないように配慮しましょう。
ラッピングは早めに取る
お祝いギフトとして贈られる胡蝶蘭は綺麗にラッピングされていますが、そのままにしておくと湿気がこもり、根腐れの原因になります。
そのため、できるだけ早めにラッピングを外してあげましょう。
ラッピングのまま長く飾りたい場合は、根元部分だけでも穴を開けて、通気性を確保してください。
咲いている花に触らない
胡蝶蘭の花の中央にある「めしべ」を触ってはいけません。
誤って触ってしまうと、胡蝶蘭自身が受粉完了と勘違いしてしまい、その結果すぐに花が落ちてしまいます。
そのほか、手の油分が花を傷める原因にもなるので、特にペットやお子様がいるご家庭は、設置場所に注意してください。
胡蝶蘭を育てる際によくある疑問
胡蝶蘭は管理が難しい植物ですが、適切な管理をすれば長く花を咲かせて楽しませてくれます。
しかし、適切に胡蝶蘭を育てていても、葉が枯れてしまうなどの異変が起きることもあります。
葉が枯れてしまった場合や、胡蝶蘭を増やす方法など、胡蝶蘭を育てるうえでよくある疑問について解説します。
葉が枯れたらどうすればいい?
きちんと育てていたのに、急に胡蝶蘭の葉っぱが茶色や黄色、もしくは白っぽくなったり逆に黒っぽくなったりと変色することがあります。
もしも葉の色素が抜けて白くなったり、焦げたように黒くなったりするなら、それは葉やけの可能性があります。
葉やけというのは、その名前の通り葉が直射日光によって焼けてしまうことです。
変色以外にも、虫に食われてしまったような穴が開くこともあります。
このような症状の場合は、即座に日光の当たらない場所まで移動してください。
焼けてしまった場所は、きちんと消毒した清潔なハサミを用いて切り取ります。
ここでハサミを消毒せずに使ってしまうとハサミから菌が入って胡蝶蘭が病気になることもあるので注意してください。
切った部分に植物用の殺菌剤を使うのもよいでしょう。
また、変色が葉っぱ全体に及んでいる場合には、自然に枯れて落ちるのを待って、落ちた葉っぱは捨てましょう。
葉が薄くしわしわになったり、根に近い葉が茶色や黄色になっていたりする場合には、単に寿命であることが考えられます。
完全に枯れるのを待ってから、手でつまむなどして取り除くとよいでしょう。
また、葉がよれよれになって枯れてしまったなら、根腐れを起こしている可能性があります。
その場合には根の状態を確認して、植え替えを行ってください。
胡蝶蘭って増やせる?
胡蝶蘭を増やす方法としては、子株を使うものと高芽を使うものがあります。
健康な胡蝶蘭であれば、株の根元に子株が育つことがあります。
その場合、この子株の根と芽が出た状態で親株と切り離し植えることによって、株分けができて増やすことができます。
また高芽が出た場合には、5cmぐらいまで根っこが伸びるのを待って親株から切り離し、こちらも植えることで増やせます。
切り花にしてもよい?
胡蝶蘭は鉢植えのイメージが強いですが、切り花としても楽しめます!
適切に処置すれば、2週間ほど花を保つことができるので、ぜひチャレンジしてみてください。
【切り花のポイント】
茎のカット | 清潔なハサミで斜めに切る |
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湯あげ | 熱湯につけて5分ほど置くと吸水力が上がる |
水の管理 | 水は毎日交換し花瓶も清潔に保つ |
置き場所 | 直射日光を避け風通しのよい室内に置く |
鉢植えに入っていた発泡スチロールは捨ててもOK?
胡蝶蘭の鉢植えには、葉の水はけをよくするためや、鉢の軽量化や株と鉢の間にできる隙間を埋める、支柱を支えるなどの目的で発泡スチロールが入れられている場合があります。
この発泡スチロールが植え替えの際に出てきたとしても、そのまま捨ててしまって問題ありません。
お住まいの自治体のゴミ出しのルールに従って、ゴミとして出してしまいましょう。
初心者の方向けの胡蝶蘭の育て方
胡蝶蘭を育てるのが初めてという方は、こちらの記事もご覧ください。
>>初心者でも安心の胡蝶蘭の育て方!開花中はもちろん、花が落ちてからの育て方についても解説
まとめ
胡蝶蘭は比較的手間がかからないお花ですが、寒さや乾燥、水のやりすぎ等、注意すべき点もあります。
上手に育てることができれば、何度も花を咲かせ、10年以上長生きするお花です。
ポイントを押さえて、美しく元気な胡蝶蘭を育てましょう。
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