初心者でも安心の胡蝶蘭の育て方!開花中はもちろん、花が落ちてからの育て方についても解説
初心者が知っておくべき胡蝶蘭の基本
胡蝶蘭は亜熱帯地方の植物
野生の胡蝶蘭は、東南アジアを中心として、熱帯や亜熱帯の地域に自生している植物です。
木漏れ日の差し込む比較的高い樹木に着生しています。
胡蝶蘭(コチョウラン)というのは和名で、花の形が蝶が舞っているような姿をしているというところから名付けられました。
一方、学名は「ファレノプシス」といいます。
これは「蛾のような」という意味で、きれいな蛾が止まっているように見えることから、この名前がつけられました。
蝶と蛾は似ている虫ですので、見える印象は世界で共通するものがあるのかもしれません。
また、胡蝶蘭は熱帯のジャングルの高い木に着生している植物です。
育てる環境を、原産地のような高温多湿で、風通しのよい環境に近づけるようにすると育ちがよくなります。
また、直射日光の当たる場所は「葉焼け」というやけどのような状態になってしまうため、避けるようにしましょう。
ブラインドやカーテンを通して日光が当たる場所が理想です。
そのほかにも、乾燥と寒さにも気を付ける必要があります。
エアコンや扇風機の風が直接あたるところに胡蝶蘭を置いてしまうと乾燥しすぎてしまい、すぐに萎れてしまうので避けましょう。
また、果物の近くはエチレンガスが出て、花をしおれさせてしまうので注意が必要です。
胡蝶蘭の花は他のラン科植物と比べると非常に長持ちし、1〜3か月の間楽しむことができます。
水やりは控えめに
胡蝶蘭の栽培のコツは水やりをしすぎないことです。
鉢の中がずっと濡れた状態のままだと、根腐れを起こしやすくなります。
1回水を与えたら鉢の中が乾くまで水やりをしない ということが大切です。
季節によっても変わりますが、1週間~10日を目安に、1度につき500mlの水 を少しずつ与えてください。
開花中を除いては、やや乾き気味ぐらいで管理した方がよいでしょう。
水苔の表面が乾いたらたっぷりと水をあげるようにします。
肥料は基本的に必要なし
胡蝶蘭はバルブを持たず、肉厚の大きな葉の中に水分や養分をためこんで成長します。
もともと胡蝶蘭は栄養の少ない環境下で生きている植物なので、多すぎる肥料はかえって毒となり、株が弱ってしまう原因にもなります。
「株の成長をもっと成長させたい」「花のつき方をよくしたい」などといった場合は、成長期にあたる5~7月の2か月間だけ肥料を与えるのがいいでしょう。
その際は1,000~3,000倍ほどの薄さに肥料を希釈してから与えるようにしてください。
植え込み材に土は使わない
胡蝶蘭の植え込み材料に土は使用しません。水苔かバークを使用します。
胡蝶蘭は本来、熱帯雨林の樹木の幹や樹皮に根を張って成長する着生植物です。
そのため普通の土に胡蝶蘭を植えてしまうと、次第に根が呼吸できなくなり根腐れを起こします。
胡蝶蘭の植え込み資材として使われるのは、水苔やバークです。
水苔は、一般的に胡蝶蘭の植え込み資材としてよく使われます。
他の植え込み資材と比べて保水力が高く、水やりの頻度を減らすことができるので利便性が高いというメリットがあります。
初心者の方には特におすすめの植え込み材です。
バークは、松などの樹皮を細かく砕いたものです。
根の張りがよく、排水性が高いので根腐れしにくいというメリットがありますが、乾燥のし過ぎに注意が必要です。
初心者の方でも安心!開花中の育て方
ラッピングを取り除く
贈り物として受け取った胡蝶蘭の鉢植えには、きれいなラッピングが施されていることが多いですよね。
しかし、豪華なラッピングがついたままでは鉢の中の様子がわかりませんし、中が蒸れてしまって根腐れを起こす原因となります。
せっかくのラッピングですのでそのまま飾って置きたくなってしまいますが、胡蝶蘭の栽培のためにまずはラッピングを外しましょう。
置き場所について
胡蝶蘭の置き場所としてもっとも適しているのは、お家の中で風通しがよく、直射日光の当たらない明るい場所です。
気温が低いところは苦手なので、寒くなる時期は注意しましょう。
特に冬の夜は室内でも窓の近くだと冷え込んでしまうので、夜間は部屋の中央に置くか、ダンボールや発泡スチロールなどの箱に入れて防寒対策をしてください。
5月の終わり頃から9月頃までは屋外でも管理できますが、気候に左右されますのであまりおすすめできません。
屋外で育てる場合は、直射日光が当たらないように、遮光ネットをかけてその下に置いてください。
夜が冷えるという予報が出たら、家の中に取り込んで管理してください。
水やりのタイミング
水やりは朝に実施し、あげ過ぎに注意することが基本です。
水やりには季節ごとに最適な方法があります。
春は10日ごとに水やりをします。
夜の水やりは避けるようにして、根元に1株に500mlを目安にして下さい。
夏は7日おきが理想で、夜に水やりをしても大丈夫です。
目安は1株に500mlですが、梅雨時は水が足りているので量を減らすようにしましょう。
秋冬はすこし長めに間隔をとって3週間ごとにしましょう。
夜の水やりは避けるようにして、1株に500mlが適当です。
水をあげるタイミングの目安は、鉢植えの表面を指で押してみて、水苔の表面全体が完全に乾いているかが目安です。
また、胡蝶蘭を枯らしてしまう原因としては、水のあげ過ぎによって根腐れを起こしてしまうことがほとんどです。
受け皿に水が溜まったままの状態にせずに、しっかりと水切りをして、受け皿の水は捨てるようにしましょう。
寒い時期に濡れた状態で置いておくことも、根腐れの原因となりますので、冬は特に注意しましょう。
温度管理
暖かい環境を好みますので、冬の寒さには注意する必要があります。
冬はお部屋の中でも比較的暖かいところに置き、お部屋の温度を最低でも15度以上を保つようにしましょう。
理想は20度前後です。
逆にあまり温度が高すぎても花が早くしおれてしまうので、高くても25度になるところで管理するようにしましょう。
また水やりのときの水温にも注意してください。
冬の冷たい水道水だと、5度前後になることもあります。
生育があまり進んでいない状態のときに冷水を与えても、根が水を吸収することができず鉢の中が常に湿った状態になってしまいます。
その結果、バクテリアが繁殖して根腐れを起こしてしまうことになります。
水やりに使う水は、しばらく置いて室温に近い状態にしてからあげるようにするとよいでしょう。
冬の水やりは少し温めて、35度程度のぬるま湯を与えるのが効果的です。
湿度管理
冬は空気が乾燥する上に室内での暖房による乾燥に注意する必要があります。胡蝶蘭にとって乾燥は大敵です。
暖房機器などのあたたかい風が当たる場所は、胡蝶蘭の苦手とする環境なので、直接風の当たらないところに置いてください。
乾燥気味の時は霧吹きで湿気を与えてあげるのも一つの方法ですので、初心者の方でも霧吹きは準備しておきましょう。
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花が落ちてからはどうすればいい?
花が落ちてからの育て方
胡蝶蘭は、花が落ちてからでも再び花を咲かせることができます。
再度咲かせたい場合は、花茎のカットをマスターしましょう。
花がすべて落ちたら、花茎の根元から3〜5cmのところをカットします。
こうすることで、じっくり健康に仕上げて花を咲かせられます。
できるだけ早く花を楽しみたい場合は、花茎の根本から3分の2をカットします。
そうすることで素早く栄養が行き渡り、数か月で花が咲くでしょう。
植え替えについて
初心者が安心して植え替えできる時期としては4月から5月が一番おすすめです。
初心者でもわかりやすい手順として、まずは胡蝶蘭の寄せ植えを一株ずつに分け、根を痛めないように注意しながら、古い植え込み材料を丁寧に取り除いていきます。
その際、胡蝶蘭の根が緑色でみずみずしいのが確認できれば、その根は健康ですのでそのまま植え替えます。
干からびたり腐敗したりした根は、必ず熱消毒したハサミで取り除くようにしましょう。
たとえば、植え込み材料が水苔の場合は、新しい水苔を多めに用いて根元を包み込み、手で鉢の大きさに形を整えます。
軽く形を整えたら、一回り大きい鉢に入れて水苔を指で押し込んで終了です。
植え替えが終わった後は、10~14日間水やりをせずに乾燥させましょう。
まとめ
胡蝶蘭を育てる際にはポイントを押さえることで、比較的簡単に花を咲かせ続けることができます。
初心者の方でも安心して育てることができますので、お祝いなどで胡蝶蘭を受け取った際にはぜひチャレンジしてみてくださいね。
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