胡蝶蘭の病気の対処はどうすればいい?おすすめの殺菌剤や、害虫の駆除の方法についても紹介。
胡蝶蘭がかかる病気には、さまざまなものがあります。
大切に育てていた胡蝶蘭を処分するのは、とても悲しいものですよね…。
たとえ病気になってしまったとしても、早めに対処することで綺麗な姿に戻ってくれる可能性もありますので、ぜひこの記事をご活用ください!
細菌による胡蝶蘭の病気
胡蝶蘭は神経質な植物なので、細菌の影響を大きく受けます。
実際に、細菌による病気は進行速度が大変速く、感染力も非常に強いのが特徴です。
もし細菌による症状が葉っぱの付け根に広がったら、回復できません。
軟腐症
軟腐症とは、葉っぱの表面に水滴がついているような斑点ができ、そこから変色して腐敗してしまう病気です。
引用:https://kotyou.net/sick-pest.html
腐敗部分はブヨブヨしていて、実際に触ると軟腐病細菌が入っている水が出ています。
この水の中に細菌が入っており、乾燥すると風に乗って飛び散り、ほかの植物に感染します。
胡蝶蘭の葉っぱにこのような症状を見つけたら、消毒したはさみやカッターなどで大きめに切り取って、株に農薬や台所系殺菌剤の原液を塗りましょう。
軟腐症は非常に感染力が高いので、作業に使ったはさみやカッターなどはしっかり消毒してからほかの作業に利用してください。
褐斑細菌病
褐斑細菌病の症状は先ほど紹介した軟腐症と似ており、葉っぱの表面に水滴がついているような斑点ができ、そこから腐敗していきます。
引用:https://m-youran.com/cultivation4.html
特に高温多湿の環境に置いていると腐敗が一気に進行していくのも症状のひとつです。
このような症状を見つけたら、軟腐症と同じく、はさみやカッターで大きめに切り取りましょう。
ウィルスによる胡蝶蘭の病気
胡蝶蘭はウィルスにも弱く、感染する可能性を持っているウィルスは30種類以上存在します。
ウィルスによる病気に感染してしまうと、農薬などで治すことができず、症状がひどくなると処分しなければいけません。
ウィルスに感染する原因は、昆虫や害虫などの生物だけでなく、人の手や園芸用のはさみなどから感染する場合もあります。
ウィルス病
胡蝶蘭が感染するウィルス病は、CyMV(シンピジュウムモザイクウィルス)やORSV(オドントグロッサムリングスポットウィルス)などがあります。
胡蝶蘭をウイルス病から守るためには、手入れなどをする時は道具や手を清潔にしてから触るようにしましょう。
カビによる胡蝶蘭の病気
胡蝶蘭はカビの影響で病気になることもあります。
とくに、湿気が多い室内などで管理していると、カビ胞子が胡蝶蘭に付着して腐らせてしまいます。
炭疽病(たんそびょう)
炭疽病は、カビ胞子が付着することで葉っぱの表面に黒色の斑点が出てくる病気です。
引用:https://kotyou.net/sick-pest.html
最初は、オレンジ色の小さな斑点が出てきますが、少しずつ大きくなって色が濃くなっていきます。
葉焼けなどで葉っぱの組織が弱くなるとカビ病原菌が活発になり、葉っぱを腐らせてしまいます。
もし、胡蝶蘭の葉っぱに炭疽病の症状が現れた場合は、その部分の周囲5ミリ程度広く切り取り、殺菌剤を振りかけましょう。
灰色かび病(ボトリチス菌)
灰色かび病は別名ボトリチス菌と呼ばれ、症状としては葉っぱにシミのような小さい褐色の斑点が発生します。
引用:https://ran-station.com/blog/detail.php?id=172
斑点を放置しておくと、胡蝶蘭の成長につれて斑点も大きくなってしまいます。
また、葉っぱの表面には灰色や緑灰色のカビが発生します。
カビが発生する原因としては、胡蝶蘭の栽培環境が低温多湿の室内で行うことが多く、空気中を飛んでいる「ポトリチス菌」が一気に発芽してしまいます。
胡蝶蘭の組織内に入り込むことで、共に成長して感染させます。
もし、症状を見つけたらその部分を切り取ってから、湿度が低い場所に移動させて花や葉っぱが乾く環境にしましょう。
また、灰色かび病を予防するためには栽培環境を見直さなければいけません。
湿度が高い場合はエアコンなどで室内湿度を下げて、カビの発生を防ぎましょう。
特に、春から秋の間は加湿器などを使ったり、晴れている日などに花へ霧吹きをかけてしまったりしてカビを発生してしまう原因をつくってしまいがちです。
フザリウム立枯病(たちがれびょう)
フザリウム立枯病に感染してしまうと、猛スピードで葉っぱが黄色に変わり脱水状態になってしまいます。
引用:https://ran-station.com/blog/detail.php?id=172
下の方の葉っぱから枯れ落ちてしまい、最終的には茎や根っこまで感染してしまいます。
もしフザリウム立枯病の症状を確認した場合は、切除して植え替えなければいけません。
感染予防のためにも、長時間水滴をためたり蒸れやすい環境に置いたりなどは避けましょう。
フザリウム菌に効果がある農薬を塗るのも効果的です。
リゾクトニア立枯病(たちがれびょう)
胡蝶蘭の根っこがリゾクトニア菌に感染してしまうと、リゾクトニア立枯病を発症します。
水をあげすぎると根っこが腐ってしまい、病気に侵されて葉っぱに艶がなくなり最後には枯れてしまいます。
根腐れの原因のほとんどがリゾクトニア菌によるものです。
根っこを調べて黒く腐った部分を見つけたら、腐った根を切り落として植替えましょう。
リゾクトニア立枯病の初期症状は、葉っぱの表面に変化はでませんが、黄色に変わる前に萎れてしまいます。
根っこに感染するので、気がつかず手遅れになってしまうケースもあります。
湿気が残っている状態で水を与え続けたり風通しの悪い場所に置いたりなどは避けましょう。
ただし、リゾクトニア立枯病に感染しても、環境を変えることで胡蝶蘭が回復する可能性はあります。
害虫による胡蝶蘭の病気
先ほど紹介した菌やウイルス以外にも、胡蝶蘭は害虫の影響でも病気に感染します。
胡蝶蘭が枯れないように、しっかりと対策をしましょう。
コナカイガラムシ
コナカイガラムシは発生してしまうと、駆除することが非常に難しい害虫です。
引用:https://m-youran.com/cultivation4.html
発生した部分を見つけた場合、その周囲にも必ず発生しています。
使い終わった歯ブラシや綿棒などで擦り落としてから、コナカイガラムシに効果がある殺虫剤を振りかけましょう。
コナカイガラムシはほかの胡蝶蘭にも移りやすいので、健康な胡蝶蘭と離して管理しましょう。
葉ダニ
葉ダニが発生してしまうと、葉っぱの表面に艶がなくなり弱々しくなります。
引用:https://kotyou.net/sick-pest.html
葉っぱの裏側を見てみると、葉っぱがカサカサになっていたり白い斑点がたくさん出ていたりすることがあるでしょう。
そのまま放置しておくと、葉っぱが軽く巻き付きよじれることがあります。
葉ダニは梅雨明けの時期に急速に繁殖が進み、夏に入ると被害が拡大します。
もし、胡蝶蘭に葉ダニを見つけたら殺ダニ剤を用いて駆除しましょう。
アザミウマ
アザミウマとは別名スリップスと呼ばれる害虫です。
4月の中頃から、高温で乾燥する時期に多く発生し、胡蝶蘭の花やつぼみを傷めます。
アザミウマに感染してしまうと、花弁の縁が黄色く変色してしまいます。
アザミウマが発生した場合には、「アドマイヤー・アセフェート水和剤(別名:オルトラン)」で駆除しましょう。
アブラムシ
アブラムシは先ほど紹介したアザミウマと同じ時期に発生し、主に室外から飛んできて胡蝶蘭に寄生します。
胡蝶蘭に寄生すると、花・つぼみ・茎の先端にくっつき、つぼみが落ちたり開花しなかったりの原因になるので、発見した場合は放置せずに駆除しましょう。
駆除方法は、テルスター・オリオン・アドマイヤーなどがおすすめです。
またアブラムシは光を嫌う性質があるので、胡蝶蘭を飾る時はアルミホイルを鉢の下に敷くのもよいでしょう。
ナメクジ
ナメクジは室内で発生することはほとんどありませんが、梅雨時期になると胡蝶蘭への被害が発生します。
昼間は鉢植えの裏側などに隠れていますが、夜になると胡蝶蘭のつぼみや花、根っこなどを食い荒らしてしまいます。
ナメクジの駆除方法として比較的効果が高いのは、「マイキラー」を水に溶かして蜂全体に吹きかける方法です。
また、ナメクジとカタツムリは銅イオンを嫌う習性があるので、予防のためにも鉢周りに銅板を置くのもおすすめです。
アリ
胡蝶蘭の栄養を求めて、外部からアリが侵入してきて根元に巣を作ることも多々あります。
アリは、葉っぱの裏側から出る成分を吸い、放置しておくとどんどん栄養を吸うので、胡蝶蘭が衰弱します。
胡蝶蘭の鉢の近くでアリを見つけた場合は、殺虫剤「マラソン」を水に溶かして、鉢を2~3日間浸しておくことで駆除できます。
その他の胡蝶蘭の病気
ここまで紹介した原因以外にも、胡蝶蘭を置いている環境によって病気になってしまうことがあります。
なので、胡蝶蘭を置いている場所もしっかり確認しなければいけません。
低温障害(凍傷)
胡蝶蘭を育てている環境の温度が寒すぎると、低温障害になってしまいます。
引用:https://kotyou.net/sick-pest.html
低温障害になった胡蝶蘭は、スズランの花のように垂れてしまいます。
低温障害にならないためにも、適温で胡蝶蘭を管理しましょう。
日焼け(葉焼け)
胡蝶蘭に日光を当て続けてしまうと、1日で葉っぱが黄色く焼けてしまいます。
引用:https://kotyou.net/sick-pest.html
胡蝶蘭の置き場所は、日光が当たり続けない所を選びましょう。
胡蝶蘭の葉の異常について
胡蝶蘭は繊細な植物なので、異常があるとすぐに葉っぱに影響します。
「普段と雰囲気が違うな」と感じたら、病気の可能性も視野に入れるようにしましょう。
葉が黄色くなる
胡蝶蘭の葉っぱが黄色くなった場合は、葉っぱの寿命からです。
特徴としては、葉っぱが黄色くなり薄くてシワシワになり、下の葉っぱから黄色くなります。
もし、葉の根元から黄色くなっており枯れていない場合は、胡蝶蘭が病気になっているので殺菌消毒が必要になります。
葉が茶色になる
胡蝶蘭の葉っぱが茶色になっている場合は、葉焼けの症状が出ています。
もしこのような症状を見つけた場合、速やかに日光が当たらない場所に移動させましょう。
葉が赤色、もしくは紫色になる
胡蝶蘭の葉っぱが赤色や紫色になるのは、温度が下がっていて低温障害を患っているか、強い光を感じてたくさんのアントシアニンを分泌して葉っぱを守ろうとしている状態です。
このような症状をみつけたら、すぐに胡蝶蘭を移動させるか、置いている環境を見直しましょう。
葉が丸まる
胡蝶蘭は、水分不足や日光不足になると葉っぱが丸まってしまいます。
丸まっている葉を見つけたら、これまでの管理方法を見直すことをおすすめします。
直接日光が当たらない場所や明るい日陰に移動させましょう。
また、霧吹きなどで水をあげて水不足の解消も行いましょう。
葉がしわしわになる
胡蝶蘭の葉っぱがシワシワになっている場合やふにゃふにゃになっている場合は、水不足の可能性を疑いましょう。
水不足の確認方法として、植え込み材が湿っているか触ってみましょう。
胡蝶蘭は水のやりすぎはよくないのですが、植え込み材が乾いてから水をやるのもよくありません。
また、水不足のほかに根腐れを起こしている場合もあります。
もし根っこが腐っている場合は、消毒したはさみで切り取ってから植え替えましょう。
また、植替時は暖かい部屋で作業しましょう。
葉が割れた
胡蝶蘭の葉っぱは先から割れてしまうことがありますが、そのままにしておくと根元まで割れてしまいます。
「割れ」はいわば傷口が開いているようなもの。
放置しておくと雑菌が入りこんで枯れる原因になります。
特に、冬場は胡蝶蘭の体調も弱っているので、割れた状態を見つけたら早めに対処しましょう。
対処方法として、割れた部分に瞬間接着剤を塗ってテープなどで固定する方法があります。
ただし、胡蝶蘭の葉が割れるだけでなく根元から黄色くなった場合は、寿命である可能性が非常に高いので補修しても元気にならないこともあります。
まとめ
胡蝶蘭は病気を患うと葉っぱに異常が見られます。
日頃から胡蝶蘭の変化を確認するようにしましょう。
害虫やカビの他にも、環境によってさまざまな病気になります。
今回紹介した症状を発見したら、症状に合わせて対処しましょう。
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