【胡蝶蘭の病気・害虫の原因と対処法】葉の変色や異常も症状別に解説

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大切に育てている胡蝶蘭の葉や花に異変を感じたら、病気のサインかもしれません。
早く原因を特定し、適切な対処を行うことで綺麗な姿に戻ってくれる可能性があります!

本記事では、胡蝶蘭の病気や害虫の原因と対処法を解説します。
病気を防ぎ長持ちさせるコツも解説するので、この機に胡蝶蘭の育て方も見直してみてください。

目次

胡蝶蘭の【葉】の病気

まずは、胡蝶蘭の葉に症状があらわれる病気について紹介します。

軟腐症(なんぷびょう)

軟腐症とは、葉っぱの表面に水滴がついているような斑点ができ、そこから変色して腐敗してしまう病気です。

 

軟腐病

引用:黒臼洋蘭園

 

腐敗部分はブヨブヨしていて、実際に触ると軟腐病細菌が入っている水が出ています。
この水の中に細菌が入っており、乾燥すると風に乗って飛び散り、ほかの植物に感染します。

 

胡蝶蘭の葉っぱにこのような症状を見つけたら、消毒したはさみやカッターなどで大きめに切り取って、株に農薬や台所系殺菌剤の原液を塗りましょう
軟腐症は非常に感染力が高いので、作業に使ったはさみやカッターなどはしっかり消毒してからほかの作業に利用してください。

褐斑細菌病(かっぱんさいきんびょう)

褐斑細菌病の症状は先ほど紹介した軟腐症と似ており、葉っぱの表面に水滴がついているような斑点ができ、そこから腐敗していきます。

 

褐斑細菌病

引用:胡蝶蘭の花だより

 

特に高温多湿の環境に置いていると腐敗が一気に進行していくのも症状のひとつです。
このような症状を見つけたら、軟腐症と同じく、はさみやカッターで大きめに切り取りましょう。

ウィルス病

胡蝶蘭はウィルスにも弱く、感染する可能性を持っているウィルスは30種類以上存在します。
胡蝶蘭が感染するウィルス病には、CyMV(シンピジュウムモザイクウィルス)やORSV(オドントグロッサムリングスポットウィルス)などがあります。

 

ウィルスによる病気に感染してしまうと、農薬などで治すことができず、症状がひどくなると処分しなければいけません。
ウィルスに感染する原因は、昆虫や害虫などの生物だけでなく、人の手や園芸用のはさみなどから感染する場合もあります。
胡蝶蘭をウイルス病から守るためには、手入れなどをする時は道具や手を清潔にしてから触るようにしましょう。

炭疽病(たんそびょう)

炭疽病は、カビ胞子が付着することで葉っぱの表面に黒色の斑点が出てくる病気です。

 

炭そ病

引用:黒臼洋蘭園

 

最初は、オレンジ色の小さな斑点が出てきますが、少しずつ大きくなって色が濃くなっていきます。
葉焼けなどで葉っぱの組織が弱くなるとカビ病原菌が活発になり、葉っぱを腐らせてしまいます。
もし、胡蝶蘭の葉っぱに炭疽病の症状が現れた場合は、その部分の周囲5ミリ程度広く切り取り、殺菌剤を振りかけましょう。

葉焼け

胡蝶蘭に日光を当て続けてしまうと、1日で葉っぱが黄色く焼けてしまいます。

 

葉焼け

引用:黒臼洋蘭園

 

胡蝶蘭の置き場所は、日光が当たり続けない所を選びましょう。

フザリウム立枯病(たちがれびょう)

フザリウム立枯病に感染してしまうと、猛スピードで葉っぱが黄色に変わり脱水状態になってしまいます。

 

フザリウム立枯病

引用:胡蝶蘭station

 

下の方の葉っぱから枯れ落ちてしまい、最終的には茎や根っこまで感染してしまいます。

 

もしフザリウム立枯病の症状を確認した場合は、切除して植え替えなければいけません。
感染予防のためにも、長時間水滴をためたり蒸れやすい環境に置いたりなどは避けましょう。
フザリウム菌に効果がある農薬を塗るのも効果的です。

リゾクトニア立枯病(たちがれびょう)

胡蝶蘭の根っこがリゾクトニア菌に感染してしまうと、リゾクトニア立枯病を発症します。
水をあげすぎると根っこが腐ってしまい、病気に侵されて葉っぱに艶がなくなり最後には枯れてしまいます
根腐れの原因のほとんどがリゾクトニア菌によるものです。
根っこを調べて黒く腐った部分を見つけたら、腐った根を切り落として植替えましょう。

 

リゾクトニア立枯病の初期症状は、葉っぱの表面に変化はでませんが、黄色に変わる前に萎れてしまいます。
根っこに感染するので、気がつかず手遅れになってしまうケースもあります
湿気が残っている状態で水を与え続けたり風通しの悪い場所に置いたりなどは避けましょう。
ただし、リゾクトニア立枯病に感染しても、環境を変えることで胡蝶蘭が回復する可能性はあります。

胡蝶蘭の【花】の病気

ここからは、胡蝶蘭の花に症状にまつわる病気について紹介します。

灰色かび病(ボトリチス菌)

灰色かび病は別名ボトリチス菌と呼ばれ、症状としては花びらにシミのような小さい褐色の斑点が発生します。

 

かび

引用:胡蝶蘭station

 

斑点を放置しておくと、胡蝶蘭の成長につれて斑点も大きくなってしまいます。
また、葉っぱの表面には灰色や緑灰色のカビが発生します

 

カビが発生する原因としては、胡蝶蘭の栽培環境が低温多湿の室内で行うことが多く、空気中を飛んでいる「ポトリチス菌」が一気に発芽してしまいます。
胡蝶蘭の組織内に入り込むことで、共に成長して感染させます。
もし、症状を見つけたらその部分を切り取ってから、湿度が低い場所に移動させて花や葉っぱが乾く環境にしましょう。

 

また、灰色かび病を予防するためには栽培環境を見直さなければいけません。
湿度が高い場合はエアコンなどで室内湿度を下げて、カビの発生を防ぎましょう。
特に、春から秋の間は加湿器などを使ったり、晴れている日などに花へ霧吹きをかけてしまったりしてカビを発生してしまう原因をつくってしまいがちです。

低温障害(凍傷)

胡蝶蘭を育てている環境の温度が寒すぎると、低温障害になってしまいます。

 

凍傷

引用:黒臼洋蘭園

 

低温障害になった胡蝶蘭は、スズランの花のように垂れてしまいます。
低温障害にならないためにも、適温で胡蝶蘭を管理しましょう。

胡蝶蘭に発生・寄生する害虫

先ほど紹介した菌やウイルス以外にも、胡蝶蘭は害虫の影響でも病気に感染します。
胡蝶蘭が枯れないように、しっかりと対策をしましょう。

コナカイガラムシ

コナカイガラムシは発生してしまうと、駆除することが非常に難しい害虫です。
発生した部分を見つけた場合、その周囲にも必ず発生しています。

 

カイガラムシ

引用:黒臼洋蘭園

 

使い終わった歯ブラシや綿棒などで擦り落としてから、コナカイガラムシに効果がある殺虫剤を振りかけましょう。
コナカイガラムシはほかの胡蝶蘭にも移りやすいので、健康な胡蝶蘭と離して管理しましょう。

葉ダニ

葉ダニが発生してしまうと、葉っぱの表面に艶がなくなり弱々しくなります。

 

ハダニ

引用:黒臼洋蘭園

 

葉っぱの裏側を見てみると、葉っぱがカサカサになっていたり白い斑点がたくさん出ていたりすることがあるでしょう。
そのまま放置しておくと、葉っぱが軽く巻き付きよじれることがあります。
葉ダニは梅雨明けの時期に急速に繁殖が進み、夏に入ると被害が拡大します。

 

もし、胡蝶蘭に葉ダニを見つけたら殺ダニ剤を用いて駆除しましょう。

アザミウマ

アザミウマとは別名スリップスと呼ばれる害虫です。
4月の中頃から、高温で乾燥する時期に多く発生し、胡蝶蘭の花やつぼみを傷めます

 

アザミウマに感染してしまうと、花弁の縁が黄色く変色してしまいます。
アザミウマが発生した場合には、「アドマイヤー・アセフェート水和剤(別名:オルトラン)」で駆除しましょう。

アブラムシ

アブラムシは先ほど紹介したアザミウマと同じ時期に発生し、主に室外から飛んできて胡蝶蘭に寄生します。
胡蝶蘭に寄生すると、花・つぼみ・茎の先端にくっつき、つぼみが落ちたり開花しなかったりの原因になるので、発見した場合は放置せずに駆除しましょう。

駆除方法は、テルスター・オリオン・アドマイヤーなどがおすすめです。
またアブラムシは光を嫌う性質があるので、胡蝶蘭を飾る時はアルミホイルを鉢の下に敷くのもよいでしょう

ナメクジ

ナメクジは室内で発生することはほとんどありませんが、梅雨時期になると胡蝶蘭への被害が発生します。
昼間は鉢植えの裏側などに隠れていますが、夜になると胡蝶蘭のつぼみや花、根っこなどを食い荒らしてしまいます

 

ナメクジの駆除方法として比較的効果が高いのは、「マイキラー」を水に溶かして蜂全体に吹きかける方法です。
また、ナメクジとカタツムリは銅イオンを嫌う習性があるので、予防のためにも鉢周りに銅板を置くのもおすすめです。

アリ

胡蝶蘭の栄養を求めて、外部からアリが侵入してきて根元に巣を作ることも多々あります。
アリは、葉っぱの裏側から出る成分を吸い、放置しておくとどんどん栄養を吸うので、胡蝶蘭が衰弱します。

 

胡蝶蘭の鉢の近くでアリを見つけた場合は、殺虫剤「マラソン」を水に溶かして、鉢を2~3日間浸しておくことで駆除できます。

胡蝶蘭の葉の変色・異常【症状別】

胡蝶蘭は繊細な植物なので、異常があるとすぐに葉っぱに影響します。
「普段と雰囲気が違うな」と感じたら、病気の可能性も視野に入れるようにしましょう。

葉が黒くなる

胡蝶蘭の葉が黒くなっている場合は、炭疽病の可能性が考えられます。
葉に黒い斑点を見つけたら、その部分の周囲5ミリ程度広く切り取り、殺菌剤を振りかけましょう。
炭疽病は気温や湿度が高い環境で悪化するため、胡蝶蘭を風通しのよい場所に移動させることも必要です。

葉が黄色くなる

胡蝶蘭の葉っぱが黄色くなった場合は、葉っぱの寿命からです。
特徴としては、葉っぱが黄色くなり薄くてシワシワになり、下の葉っぱから黄色くなります。
もし、葉の根元から黄色くなっており枯れていない場合は、胡蝶蘭が病気になっているので殺菌消毒が必要になります。

葉が茶色になる

胡蝶蘭の葉っぱが茶色になっている場合は、葉焼けの症状が出ています。
もしこのような症状を見つけた場合、速やかに日光が当たらない場所に移動させましょう。

葉が赤色、もしくは紫色になる

胡蝶蘭の葉っぱが赤色や紫色になるのは、温度が下がっていて低温障害を患っているか、強い光を感じてたくさんのアントシアニンを分泌して葉っぱを守ろうとしている状態です。
このような症状をみつけたら、すぐに胡蝶蘭を移動させるか、置いている環境を見直しましょう。

葉が丸まる

胡蝶蘭は、水分不足や日光不足になると葉っぱが丸まってしまいます。
丸まっている葉を見つけたら、これまでの管理方法を見直すことをおすすめします。
直接日光が当たらない場所や明るい日陰に移動させましょう。
また、霧吹きなどで水をあげて水不足の解消も行いましょう。

葉がしわしわになる

胡蝶蘭の葉っぱがシワシワになっている場合やふにゃふにゃになっている場合は、水不足の可能性を疑いましょう
水不足の確認方法として、植え込み材が湿っているか触ってみましょう。
胡蝶蘭は水のやりすぎはよくないのですが、植え込み材が乾いてから水をやるのもよくありません。

 

また、水不足のほかに根腐れを起こしている場合もあります。
もし根っこが腐っている場合は、消毒したはさみで切り取ってから植え替えましょう。
植替時は暖かい部屋で作業しましょう。

葉が割れる

胡蝶蘭の葉っぱは先から割れてしまうことがありますが、そのままにしておくと根元まで割れてしまいます。
「割れ」はいわば傷口が開いているようなもの。

 

放置しておくと雑菌が入りこんで枯れる原因になります。
特に、冬場は胡蝶蘭の体調も弱っているので、割れた状態を見つけたら早めに対処しましょう。
対処方法として、割れた部分に瞬間接着剤を塗ってテープなどで固定する方法があります。

 

ただし、胡蝶蘭の葉が割れるだけでなく根元から黄色くなった場合は、寿命である可能性が非常に高いので補修しても元気にならないこともあります。

>>胡蝶蘭の寿命について詳しくはこちら

 

胡蝶蘭の病気を防ぎ長持ちさせるコツ

白い胡蝶蘭

胡蝶蘭を長く美しく楽しむためには、病気を防ぐことが大切です。
以下3点を徹底し、病気のリスクを減らしましょう!

胡蝶蘭の置き場所を見直す

胡蝶蘭の病気を防ぐためには、適切な環境での管理が欠かせません。
胡蝶蘭にとって快適な温度、湿度、日当たりを意識しましょう。

 

温度 18~25度(15度以下は避ける)
湿度 60~70%
日当たり カーテン越しの日が当たる風通しのよい場所(直射日光は避ける)

胡蝶蘭を清潔に保つ

気温が高くなると胡蝶蘭の鉢の中が蒸れやすく、病気のリスクが高まります。
湿気がこもると根腐れの原因にもなるため、受け皿の余分な水はこまめに捨て、胡蝶蘭を清潔に保ちましょう。
また、枯れた花や葉はすぐに取り除き、ホコリが気になる場合は葉の表面を柔らかい布やティッシュで優しく拭くなど、周囲の環境も清潔にしましょう。

胡蝶蘭の様子を観察する

水やりの度に胡蝶蘭の様子を観察し、異変に早く気付くことも重要です。
元気な葉は緑色でツヤがあるため、葉が変色したりしわができたりしていないか、また害虫が発生していないかも定期的に確認しましょう。
都度、適切な対処を行い、丁寧な管理を続ければ胡蝶蘭は何年も美しく咲き続けます。

まとめ

胡蝶蘭は病気を患うと葉っぱに異常が見られます。
日頃から胡蝶蘭の変化を確認するようにしましょう。
害虫やカビの他にも、環境によってさまざまな病気になります。
今回紹介した症状を発見したら、症状に合わせて対処しましょう。

 

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サスティナブル

弊社は、SDGsの実現に向けた取り組みの一環として、NPO法人「AlonAlon」のフラワープロジェクトで栽培された胡蝶蘭を販売しております。

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